生検の為、JR東京総合病院に3日間の入院2012年08月03日 12:00

予定通り8月1日入院、ナースステーションから一番遠い6人部屋に、その日に入院の男性と2人で入室した。後で聞いた話であるが、ナースステーションからの距離と生命の危険性が高い順に部屋が選ばれているとのこと、近くに入った時には終わりに近いのだと何とも嫌なことを聞いてしまった気が。
午前中は、外部委託業者と手術後着から箸に至るまでの借用契約、そして午後は、先ず担当看護士が諸々説明に、次に薬剤師が服用薬をチェック、続いて手術室担当看護士が、麻酔科の医師が、各々の説明を了解した旨のサインを、そして最後に主治医の泌尿器科部長が来室。入院日の午後は概ねペーパーワークで終わった。
主治医に明日の生検について聞いてみたが、明日は学生を3人呼んでいて学生が実施するとのこと、痛みは無いので心配不要と、万が一がんが発見されても治療方法が用意されているので心配ないと、告げて部屋を去った。
とは言え、この病院に来る前に前立腺内のみならず腰骨に転移していることが告げられているので、気休めには???と思いつつ翌日の生検を待つ。
入院の翌日、予定の手順に従い部屋で浣腸をして直腸内を消毒した後、手術室担当看護士に付き添われて徒歩で手術室に入る。
麻酔の種類は病院によって、局所麻酔、脊髄麻酔、ガス麻酔等が使用されているようであるが、JR病院では脊髄麻酔であった為、オペレーターの話し声は聞こえるものの痛みは全く無く終えることが出来、痛いのが苦手な私には本当に助かった。
翌日に担当医の診察を終えて退院の予定であったが、主治医は来ず、主治医に会わずに退院か???と思いながらタクシーで帰宅した。

退院後の診察2012年08月22日 12:00

10日後の8月13日生検の結果を聞きに主治医のもとに、前立腺内の12箇所から採取した検体のすべてで癌が検出されたと告げられた。想像はしていたものの駄目押しを打たれた感のショックを受けた。
治療が開始されるものと思っていたが、まだ検査が、
8月21日に、
①骨への転移状況を検査する(※3)骨シンチグラフィー検査
②臓器への転移を確認する為の(※4)CT(Computed Tomography)
以上を受検した。
翌日の8月22日の受診で、検査の結果を聞いた。予測通り腰骨に大きく転移されていることが確認された。
救われたことは、リンパ節、腎臓、肝臓には転移が認められなかったこと。

この日から漸く治療が始まる。
治療は、転移癌患者には手術による局部切除、放射線治療は、既に手遅れとのことで、選択肢はなくホルモン療法のみとのこと。
前立腺がんが男性ホルモンを糧に増殖する性質がある為、精巣(睾丸)と副腎から分泌される男性ホルモンを注射と飲み薬でブロックする“ホルモン療法(内分泌療法とも言う)”、この治療法しか選択肢がないとのこと。
それなら、何故もっと早く開始しないのだとの思いがしたが、この日から治療が開始されたことにそれなりの安堵感を得た。

今後の治療の見通し、余命について質問したが、医師からはこの治療は効くから大丈夫の一言で、がんの状況、治療に関してそれ以上の説明を受けることはなく、
医師からは、全国何処で治療しても治療の内容は変わらないとの理由で、元の泌尿器科に戻る事を提案された。
取り敢えず治療が開始されたばかりで不安がある事を理由にこのままこの病院で治療を継続して頂く事をお願いした。

※後日、セカンドオピニオンを受けて、転院する事になるがその手続きの中でがんの悪性度を示す指標であるグリソンスコアーが8とかなり高悪性であると知った。
グリソンスコアーとは、生検で採取したがん組織の分析結果により1から10の9段階にランク付けされてがんの悪性度を表す指標として使用されている値で、治療方針を決定するために重要な指標。6以下は悪性度が低く、7が中間、8以上は悪性度が高いとされている。

※3.骨シンチグラフィー検査:テクネチウム (99mTc) というラジオアイソトープを含んだ薬剤を注射して行う核医学検査で、骨腫瘍があるとその部分の骨の代謝や反応が盛んになります。注射した薬剤が骨の代謝や反応が盛んなところに集まる性質があることを利用して、骨腫瘍や骨の炎症、骨折の有無などを調べる検査。
 この検査は乳癌、肺癌、前立腺癌など治療前・治療後の経過確認するのにきわめて有効で、X線検査よりも早期に発見する事が出来、また、疲労骨折や骨粗鬆症に伴う骨折の診断においても大変役立との事です。
※4.CT(Computed Tomography):多数の「断層撮影」によて内臓への転移状況を確認する為の検査。